はじめに
TypeScript は型が付いた JavaScript と考えることができます。型があることで誤った値を代入できなくなりますので、その恩恵は大きいと言えます。
今回は、TypeScript におけるプリミティブ型について説明します。
目次
プリミティブ型とは
TypeScript ではデータ型を使用することができます。プリミティブ型というのはクラスのような複数のデータ型の値を持つものではなく、もっとも基本的な数値型や文字列型といったデータ型のことを指します。
データ型を指定した変数の宣言
データ型を指定した変数を宣言するには、以下の書式を使用します。
var 変数名 : データ型 = 値; または let 変数名 : データ型 = 値;
数値型
TypeScript における数値は全て number 型として扱います。
以下に例を示します。
16進数を扱いたい場合は先頭に「0x」、8進数を使用したい場合は先頭に「0o」、2進数を使用したい場合は先頭に「0b」を付けます。console.logを使用するとそれぞれ10進数に変換されて出力します。
let num1 : number = 12; // 整数 let num2 : number = 3.14; // 浮動小数点数 let hex : number = 0xffff; // 16進数 let oct : number = 0o123; // 8進数 let bin : number = 0b1010; // 2進数 console.log(num1); // 12 console.log(num2); // 3.14 console.log(hex); // 65535 console.log(oct); // 83 console.log(bin); // 10
文字列型
文字列は string 型として扱い、ダブルクォート(”)またはシングルクォート(’)で囲みます。
以下に例を示します。
let moji1 : string = "文字列1"; let moji2 : string = '文字列2'; console.log(moji1); // 文字列1 console.log(moji2); // 文字列2
論理型
TypeScript でも true と false を扱う論理型を使用することができます。
論理型は bool を使用します。
以下に例を示します。
let ronri : boolean = true; ronri = false; console.log(ronri); // false
Symbol
Symbol は ES6 で導入された型で、まったく新しいタイプのプリミティブ型です。
作成したシンボルは、「その値とのみ等しい」という特徴を持ちます。
Symbol 型の変数を作成するには以下の構文を使用します。
let 変数名 = Symbol(); または let 変数名 = Symbol(値);
例えば、以下のように変数 sym1 と sym2 を宣言したとします。一見するとsym1 と sym2 の値は同じように思えますが、比較してみると一致しないことがわかります。このことから、Symbol 型で宣言した値は唯一無二であることがわかります。
let sym1 = Symbol(3); let sym2 = Symbol(3); console.log(sym1 === sym2);
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